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((((2017近未来連句交流大会 入選と大会賞))))

【応募作品と応募グループ】
合計9グループ25巻の作品が集まりました。形式の内訳は、非懐紙連句11巻。十二句連句7巻(十二調5,賜餐1,十二詩潮1)。
短手(しのびて)1巻。胡蝶1巻。さざんが1巻。スワンスワン1巻。短詩行1巻。新形式演歌2巻。
グループは、非懐紙研究会2巻、游の会3巻、游の会B1巻、河童連句会3巻、UFO連句会3巻、豊玉連3巻、草門会3巻、
詩あきんど3巻、下町連句会3巻、鯔背座2巻ほか。

【互選ルールと大会賞】
「応募数は各グループ3巻まで」「自グループの作品を選ばない」「自分が連衆参加している作品を選ばない」
「一位(9点)を1巻、二位(6点)を1巻、三位(3点)を2巻選んで下さい」のルールで互選を行いました。

7グループによる互選結果、合計6点以上を得た11巻を第一次選考通過入選作品としました。
次に第一次選考通過入選作品に、選者代表・中根明美先生の点を加点し、15点以上を大会賞に決定致しました。
入選作品は、2017.12.6「第3回近未来連句交流大会ホームページ」、2018.2.10『詩あきんど』30号に掲載して、
多くの方に鑑賞して頂く共有作品にして行きたいと存じます。
入選12巻と大会賞
 
第一席 さざんが「シャガールの馬」(21点)  UFO連句会
第二席 非懐紙「柳行李」(18点)       下町連句会
第二席 非懐紙「わらわやみ」(18点)     詩あきんど
第三席 短手(しのびて)「道化師」(15点)  草門会

入 選 十二調「 午後二時の」(12点)    游の会
入 選 非懐紙「傘斜め」(12点)       下町連句会
入 選 非懐紙「追憶」(9点)        非懐紙研究会
入 選 非懐紙「騙し絵」(9点)       河童連句会
入 選 非懐紙「前頭葉」(6点)       非懐紙研究会
入 選 非懐紙「曼珠沙華」(6点)      河童連句会
入 選 賜餐「更科」(6点)         豊玉連句会

 第一席 四吟さざんが「シャガールの馬」の巻  (UFO連句会・矢崎硯水捌)

一面
 風が鞭ふるシャガールの馬          矢崎硯水
バーチャルの時計廻りの旅をして           同
 またも仏陀の手の平の上          嵯峨澤衣谷
二面
籤引けばころころころり赤い玉            同
 愛憎を越え天城嶺を越え           矢崎妙子
山賊の衣装の似合うぬらりひょん          硯水
三面
 ワイドショーでは話題騒然            衣谷
百九十二の魚偏漢字書きあげて         軍司路子
 しかと抑える可杯の底              執筆
 
  首尾・平成29年10月2日〜11月06日


※形式「さざんが」は掛算九九の「三三が九」から、三行×三つの面の合計九句を以て構成する。
発句は長句でも短句でもよく季語は要らない。三句の渡りを尊び、三つの面のジョイントによる
虚実衝突の小宇宙を表す。
               
 第二席 八吟非懐紙「柳行李」の巻  (下町連句会・江窓哲子捌)

底紅の底までたまる通り雨        鈴木ちかひ
 別鳥のむかう山里           江窓 哲子
月見上げ見知らぬ顔と笑み交わし     菅原 通済
 待合室の時刻確認           白石 一有
硝子坂踊る帽子に追いついて       斎藤 東砂
 淑気頬うち心あらたに         高山 英子
少年は墨することを筆始            一有
 古墳巡りの旅で恋知る           ちかひ
フェロモンをかぎ分ける技秘めており      通済
 恥じらい知らぬ美しきマダーム        東砂
真夜の靴どんでん返しシンデレラ     鈴木 すず
 夢見るような老々介護         櫻田 野老
ひとり寝に海鳴り遠く月凍つる         英子
 緑の狸ピラミッドへと            野老
狂言は嵯峨念仏でいかがかな          哲子
 貧乏神は舌先三寸              一有
花氷柳行李に押し込んで            哲子
 虹をハートに少女のままに         ちかひ

首尾・平成29年9月6日〜10月11日/「亀戸梅屋敷」

※発句・脇は無季。第三で当季。
十八句乃至二十四句ぐらい。橋フ石の創案で、懐紙の理念にとらわれず、折もなければ表も裏もない。
月花に関しても自由に処理し、序破急を基調にして流れの変化を楽しむ。「俳句研究」昭和五十九年八月号に
説明がある。(東京堂出版『連句辞典』より)


 第二席 四吟非懐紙「わらわやみ」の巻  (詩あきんど)

わらわやみホモサピエンス逸走す       中尾 美琳
 冷夏に祈る核なき世界           二上 貴夫
簡素清貧一合炊きの土鍋にて         中澤 柚果
 縄張りは無く鳥は混群           大塚 丈湖
鍵盤を叩きしばらく物思い              夫
 ミス・フォーチュンの捲るタロット         琳
フィギュアの片耳に刺す銀のピン           湖
 プルシャンブルー海洋に塗る            果
永き日をのたりのたりと猫と居て           琳
 花は八分で酒は小半                夫
お姐さんそうですじゃんと丁寧語           果
 バイクで下る陣馬街道               湖
霧のなか古地図の中に探す城             夫
 宗祇のやどり更に世にふる             琳
無患子で平和の数珠を拵えて             湖
 いざよう月にはやぶさが行く            果
百年をかけて証明ポアンカレ             琳
 窓枠透かす富士はぽっかり             夫
頂きし遺句集ひろげぼんやりと            果
 頬被りして笑う中年                湖

    首尾・2017年10月14日/大山「夢心亭」

《非懐紙について》
懐紙形式である「歌仙」に代わる、非懐紙形式の連句であるとして、橋フ石が昭和二十六年、句集『雪』に発表した
新形式。懐紙形式の折からくる制約をいっさい外し、月花の定座なし、二句間の映発をむねに、付け味本位に句数を定めず、
二十句前後を一巻とする。


 第三席 四吟短手(しのびて)「道化師」の巻  (草門会・上野遊馬捌)

 道化師が弾くヴィオロンの美(は)し       小池舞
若駱駝体振るって荷を落とす           持田はるも
 時限装置はエコな色して             上野遊馬
旅の果て秋霖前線従いてくる            はるも
  翼の先にぬっと月の出               舞

怖いのは地獄の闇より人の闇             遊馬
  菓子袋にも酒瓶隠し              はるも
亀さんに明日を恃む雪催い               舞
 松ぼっくりを炭窯で焼く              遊馬
乳香の煙に巻かれて衝動買             はるも

 流れてしまった九連宝燈(ちゅうれんぱおとう)    舞
赤人を黒人訪ね余寒空                遊馬
 梅は咲いたが桜はまだかいな             舞
瑠璃蝶は瑠璃の鱗粉残し去る            はるも
 北斎の富士映す隠沼(こもりぬ)             

選挙カー山彦太郎と木霊姫              遊馬
 氷イチゴが溶けてしまった              舞
好色にも効き目あらたかアスピリン         はるも
 告解室へそっとシャム猫               舞
座右の銘「今日の忍耐明日の笑(えみ)」       遊馬

首尾・2017年10月12日

※《短手(しのびて)について》
発句は短句。当季でも雑でも可。切れ字不要。一連五句で花・鳥・風(天象・気象)・月(秋)の四連。
一連一季で季の運びは順行。一花一月。花は桜(夕桜・八重桜なども可。有季句は原則二句。春秋は三句も可。
恋は二ヵ所。上野遊馬考案。



※本大会賞は、あくまでも形式自由な連句形式を模索した交流大会の趣旨に添っての「選考」であることをご了解ください。


   第3回 近未来連句交流大会

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最終更新:2017年12月06日  [Safari]でご覧下さい。[Chrome]では文字が不揃いになってしまいます。